AIと珈琲のプロフェッショナルのコラボでブレンドコーヒー「飲める文庫」を新開発! ~NEC×やなか珈琲が名作文学の読後感をコーヒーの味わいで再現
日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下 NEC)とコーヒー豆専門店の株式会社やなか珈琲(本社:東京都千代田区、代表取締役:権藤 則彦、以下 やなか珈琲店)は、AI(人工知能)とカップテスター(注1)のコラボレーションにより、名作文学の読後感をコーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」を新たに開発しました。対象となった文学作品は、島崎藤村 著「若菜集」、太宰治 著「人間失格」、夏目漱石 著「吾輩は猫である」「こころ」「三四郎」、森鷗外 著「舞姫」(著者五十音順)。
「飲める文庫」は、やなか珈琲店の店舗で「読書の日」の10月27日から期間限定で販売をスタートしています。
NECは社会ソリューション事業に注力しており、独自あるいは世界トップクラスの高精度な各種AIの開発や、それらを活用したソリューションの提供を推進しています。今回、NECのAI技術力や、人とAIの協調を身近に感じてもらうため、同商品を開発しました。
また、やなか珈琲店は煎りたてコーヒーの美味しさにこだわったコーヒー豆販売の専門店で、都内で31店舗を展開しています。開発者(カップテスター)は、「飲める文庫」について、次のようにコメントしています。
「約30種類の国と地域、スペックの違うコーヒーの中からAIが導き出した味の指標を基に、それぞれのブレンドの違いを明確にするため試行錯誤を繰り返しました。人の味覚だけで6種類の味の差を表現することは簡単ではないので、それぞれのコーヒーの味から文学の世界がイメージ出来たら、素晴らしい試みだと思います。」
なお、NECは本件に関連したデモを、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」(会期:11/9(木)~11/10(金)、会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区)、https://uf-iexpo.nec/)での展示を予定しています。
■ビーンパッケージ
販売期間:2017年10月27日(金)~11月30日(木)
販売店舗:やなか珈琲店
秋葉原CHABARA店、アトレ亀戸店、コレド室町店、ルミネ北千住店、ルミネ立川店、エキュート赤羽店、アリオ西新井店、トレインチ自由が丘店、中野マルイ店
やなか珈琲店通販サイト(http://www.yanaka-coffeeten.com/)
価格:950円/100g (税込)
■6作品飲み比べ ドリップバックセット
販売期間:2017年11月8日(水)~11月30日(木)
販売店舗:ビーンパッケージと同じ
価格:2,340円(税込)
※販売期間中でも在庫がなくなり次第、販売終了
※画像はイメージです。
【各タイトルの分析結果と味わいの詳細情報】
「若菜集」島崎藤村
コーヒー豆:タンザニア/コロンビア/ニカラグア
ロースト:ミディアムロースト
代表作「初恋」をはじめとした、叙情的世界を開花させた島崎藤村の第一詩集をコーヒーに。タンザニア産のほのかな甘味を伴った酸味にコロンビア産の滑らかなコクをプラス。青春のみずみずしい感情を思いだす、藤村の詩を再現した、爽やかな酸味とクリアな味わいが特徴のコーヒーです。
「人間失格」太宰治
コーヒー豆:コロンビア/ブラジル/ペルー
ロースト:フルシティロースト
人を理解することができず、ついに自らに「人間失格」の烙印を押してしまう主人公の物語をコーヒーに。高地産アラビカ種などをベースに、スムーズな飲み口のペルー、スッキリとした苦味のブラジルをブレンド。淡々と語られる人間の弱さを、滑らかな口当たりで飲み易く、質の高い豊かな苦味で表現しました。
「吾輩は猫である」夏目漱石
コーヒー豆:コスタリカ/ブラジル/グァテマラ
ロースト:シティロースト
主人とその書斎に集まる個性的な人々の人間模様を、「吾輩」という猫の視点で描いた漱石の代表作をコーヒーに。クリアで高品質なコーヒー産地コスタリカの豆にブラジルとグァテマラの豆を加え、風刺的でおかしみのある猫の語りを、ほろ苦さと甘味、香ばしくキレのある後味で再現しました。
「こころ」夏目漱石
コーヒー豆:インドネシア/ブラジル/グァテマラ
ロースト:イタリアンロースト
愛のために友を裏切った過去の罪を背負い、囚われつづけた男の物語をコーヒーに。質感の高い濃厚なボディのインドネシア産マンデリンにブラジルのキレのある苦味をプラス。まとまりのある深いコクと満足感のあるボディから、誰のこころにも潜み、いざというときに現れる苦々しい人間のエゴが垣間見えてきます。
「三四郎」夏目漱石
コーヒー豆:エチオピア/コロンビア
ロースト:ミディアムロースト
田舎から上京した青年が抱いた、淡い恋の物語をコーヒーに。ナチュラル処理したエチオピア産の明るい酸味に、コロンビア豆の質の違う柔らかな酸味をプラス。苦味を抑えた味わいに。芳醇な赤ワイン思わせる風味にひそむ心地よい甘さが、思わせぶりな女性に翻弄される甘酸っぱい青春の日々を思い起こさせます。
「舞姫」森鷗外
コーヒー豆:ブラジル/グァテマラ/東ティモール
ロースト:フレンチロースト
留学先で知り合った踊り子との恋情と、自らの将来との間で揺れ動く主人公のロマンスをコーヒーに。伝統的な味わいになるよう非水洗処理したブラジル豆に、甘味の強い東ティモール産をプラス。美しい文体で描かれた若い恋が、チョコレートの様な甘味と滑らかでソフトなボディでよみがえります。
「飲める文庫」の開発プロセス
1.NECのデータサイエンティストが、文学作品に関する1万件以上のレビュー文(読後感)をコーヒーの味覚指標(苦味/甘味/余韻/クリア感/飲みごたえ)に変換した学習データを作成。(注2)
2.NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」(注3)の一つであり、ディープラーニング(深層学習)技術を搭載したソフトウェア「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」に学習データを投入し、分析モデルを作成。
3.分析モデルを用いて6点の名作文学のレビュー文を分析し、味覚指標のレーダーチャートをそれぞれ作成。
4.作成されたレーダーチャートをレシピとして、やなか珈琲店のカップテスターが6種のブレンドコーヒーを考案・開発。
<~名作文学を、AIが珈琲に。~「飲める文庫」>
http://jpn.nec.com/bigdata/ai/coffee/
(注1)カップテスター:コーヒー豆の産地、銘柄などの品質を見極め、各豆の本来の風味や味わいの味覚を検査する専門職。
(注2)学習データにおける味覚指標とレビュー文の例
苦味:悲しい結末だった。切なさが湧きあがってきた。
甘味:青春時代の懐かしさを感じた。
余韻:人生について考えさせられる一冊だった。心に残る素晴らしい作品だった。
クリア感:テンポが良く爽快で一気に読めた。
飲みごたえ:読むのに時間がかかったが十分楽しめた。
(注3)「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。”The WISE”には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
・NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
http://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
・NECのAI技術
http://jpn.nec.com/bigdata/ai/